令和4年度 公害防止管理者 水質概論 問8

問題

水質汚濁機構に関する記述として,誤っているものはどれか。

⑴ 河川水質を 4 つのカテゴリーに分けた水質階級で,きれいな水は貧腐水性と呼ばれ,この水域に生息する生物にサカマキガイがいる。
⑵ 生物化学的酸素要求量(BOD)で示される有機汚濁物質は,一般的に生物化学的な分解を受ける。
⑶ 湖沼や内湾に流入した窒素やりんは,湖水・海水と堆積物の間で循環することから,いったん富栄養化した水質を改善することは容易ではない。
⑷ カドミウムや鉛などの重金属は,水域に排出後,酸化作用や還元作用などを受けてその形態が変化することはあっても,分解されることなく元素として消滅しない。
⑸ カドミウムや鉛などの重金属は,懸けん濁だく態となって水系から底質系へ移動し,底生生物やそれを餌とする生物に蓄積される。

正解

(1)。サカマキガイは汚い水に生息するので誤り。

解説

(1)

水質の指標となる生物の問題でした。
頻出問題なので、以下は暗記するのが◎です。

水質階級指標生物
きれいな水ウズムシ
サワガニ
カワゲラ
カゲロウ
少し汚れた水ヒラタドロムシ
汚い水サカマキガイ
ヒル
水虫
たいへん汚い水
ミミズ

サカマキガイは汚い水の指標生物のため、誤り。

(2)

BODは、水中の有機物が好気性微生物に分解される時に消費される酸素量です。よって正しい。

CnHm有機物 + (n+1/4m酸素)O2

nCO2二酸化炭素 + 1/2mH2O

(3)

窒素循環です。正しい。

(4)

これは化学式で考えると正しいことが直ぐにわかります。
例えばPbは酸化・還元によりPb0、Pb2+、Pb4+となりますが、Pbという元素として分解されずに残ります。

(5)

いわゆる生物濃縮です。カドミウムは特にイタイイタイ病を引き起こしていますね。

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